Flashアニメをニコニコ動画に高画質で投稿する方法
3月21日追記: スクリーンショット付きで解説しなおしました。
どうもこんにちは。飛中漸です。4ヵ月ぶりの更新となります。1年ほど前まで
英語で日本のウェブアニメを紹介なんぞしていました。ネタが尽きて更新停止してしまいましたけど。この数カ月間は初めて触った動画編集ソフトに熱中していました。ニコニコ動画の
箱Pマイリストがその成果になります。おかげでいろいろと技術や知識がつきました。
日暮里本社さまの
Poologでご紹介いただいたとおり、この数日間はFlashアニメをニコニコ動画に高画質で投稿するための方法を模索していました。その経過で出来た動画が
マイリストにまとまっています。
FlashアニメはFlashのまま再生するのが一番きれいに見られます。ニコニコ動画など動画投稿サイトに投稿するにはFlashのままではダメで他のファイル形式に変換しないといけないので、画質がどうしても落ちます。それでもニコニコ動画に投稿する利点もあると思います。うまく双方をつないで活用できれば最善だと思うのです。
Flashアニメをニコニコ動画に投稿するメリットとデメリットを確認しておきましょう。
先にデメリットからです。
・swf形式より画質が落ちる。
・サイズが512×384に限定される。
・音ずれが発生する危険が大きい。
・作者サイトに置くより動画を管理しにくい。
・動画まわりの演出を決められない。
・原則として登録会員しか見れない。
そしてメリットです。
・再生時に処理落ちしない。
・転送量を気にしないで済む。
・コメントを得られる。
・作品が目にされる機会が増える。
・
一部ブログでは外部プレイヤーで再生できて、会員でなくても見れる。
投稿するしないのどちらがいいか、そのへんは作品によるでしょう。基本的にはニコニコ動画に投稿して、その動画に作者サイトなどFlashで公開しているページへURLで誘導することで、いい相乗効果を得られるはずです。
これから今まで試行錯誤してきて落ち着いたswfの変換方法について説明します。なるべくフリーソフトだけを使うようにしています。この方法を使えば、ニコニコ動画で他の作品を検索してみれば分かりますが、画期的と言えるほど画質の点で従来の投稿を引き離すことほどの仕上がりを得られます。これは先週ニコニコ動画がSP1に改装されたからというばかりでなく、変換方法を工夫したからできた代物です。
以下で述べる方法で変換した動画が次になります(他の動画は音声同期が試行錯誤中のものです)。公式サイトで公開されている
元のFlashと見比べてみてください。
さて、大まかに言ってFlashアニメをニコニコ動画に投稿するために採る手順は、次の4つになります。
1.作者さまに連絡する。
2.FlashアニメをAVIにする。
3.AVIをFLVやMP4にする。
4.投稿動画に投稿者コメントをつける。
「1.作者さまに連絡する。」は著作権云々はもちろんのこと、画質にも響く話です。Flash作成ソフトで最初からAVI出力すれば最善の品質を保てるからです。もし苦労して完成させた作品を勝手に扱われたうえ、画質まで落とされて海賊版を公開されたら、その作者はどう思うでしょうか。新作を製作する意欲すら殺ぎかねません。とにかく作者でないけど投稿する場合、まずは作者さまに連絡しましょう。ファンレターを添えて用件を伝えれば、作者さまも気分よく応対できます。要は気遣いです。気遣いができなくては高品質の動画変換は(現時点では)できません。作品あっての投稿、作者さまあっての作品だということをお忘れなく。
「2.FlashアニメをAVIにする。」が最も厄介なので、後回しにします。
「3.AVIをFLVやMP4にする。」これは比較的簡単です。FLV変換については
ニコニコ動画まとめwikiのエンコード設定のページにノウハウが蓄えられています。僕もflvにするときはこの設定を使っています。MP4、つまり今回ならH.264/AVCで圧縮する場合は(そのリンク先のページのAviUtlを使う方法でもいいのですけど)僕は
MediaCoderというフリーソフトを使用してます。
k本的に無料ソフト・フリーソフトに日本語化パッチとともに説明があります。希望の画質音質を設定して一発変換、楽勝です。デフォルト設定も親切です。カスタマイズに定評のあるx264をある程度自由に操作できますし、元ファイルのプロパティも簡単に見れるので、H.264エンコードについてなぜ他所はこの方法を紹介しないのか正直言って疑問です。
「4.投稿動画に投稿者コメントをつける。」ニコニコ動画では投稿した動画に投稿者がコメントをつけて説明など補足することができます。動画のタイトルや投稿者コメントに、作品名や作者名、公式サイト名やそのURLを書きましょう。当然と思える事柄なんですけど、作者に無断で投稿したと思われる動画には作者名すら明記していないものも存在するのです。やはりその動画は画質が悪くコマ落ちも激しかったです。最低限の礼儀は守りましょう。投稿後は作者さまに報告して終わりです。
さて、ご覧のとおり「2.」を除けば何ら新しく工夫したことはありません。問題は「2.FlashアニメをAVIにする。」の段階なのです。作者さまに連絡を、と繰り返すのは礼儀だけでなし、FlashアニメをSWFではなくAVIで出力できればそれに越したことは無いからでもあります。しかし、SWFからAVIに変換する必要がある場合はどうするのか。それでは僕の採った方法を説明します。
2A.SWFの各フレームを連番BMP出力してAVIに統合する。
2B.AVIのサイズを整える。
2C.AVIに音声ファイルを同期させる。
これにたどりつくまでいろんなフリーソフトを試してみました。Anvsoft Flash to Video Converter 2.2、swf>>avi Converter 1.0.2027、Magic Swf2Avi 3.12、カハマルカの瞳 3.3、など。どれも望む仕上がりにはなりませんでした。
最大の問題はムービークリップやActionScriptによる制御を再現できるかどうかです。画質やコマ落ち以前の問題なんですけど、ここをクリアできないソフトが多いのです。また、Flashアニメは冒頭にファイル読み込みの表示と再生ボタンがつけられていることが多いのですが、これも変換を厄介なものにしています。
ひとつ、カハマルカの瞳について。主にゲーム用に使う動画キャプチャソフトなのでうまく変換できない非を問うのはお門違いです。でも、カハマルカの瞳を使用して作者に無断で投稿したと思われる画質低下やコマ落ちが激しい動画も見られるので、敢えてここでそれは本来の用途でないと強調しておきます。
「2A.SWFの各フレームを連番BMP出力してAVIに統合する。」のがSWFやAVIの原理に則っていて最も信頼できる方法です。僕は
swf2avi 0.3でSWFを連番BMP出力して、それを
to_avi 1.00で統合します。swf2aviはSWFを1秒1フレームで再生することで時間はかかりますけど確実な連番BMP出力を可能にしています。
swf2aviの使い方を参照してください。swf2aviでも連番BMPをAVIに統合できますが、to_aviを使っているのはそっちのほうが僕が慣れているからです。swf2aviでは遅すぎるというならSWF2Video1.1 Trialを試して有料版をご検討ください。
「2B.AVIのサイズを整える。」についてですが、Flashの利点は拡大縮小しても画がきれいということです。しかし、AVIはそうもいきませんからなるべくいい方法で拡大縮小します。本来ならSWFをAVIにする段階でニコニコ動画への投稿に最適の512×384にぴったり収まるよう設定できればいいのですが、僕の技術ではやり方がわかりませんでした。そこで、
AviUtlを起動して、
Lanczos 3-lobed 拡大縮小のプラグインをSSE2実数モードで使って512×384に収まるようアスペクト比を保ったまま拡大縮小し、さらに
黒べた追加フィルタのプラグインで512×384に整えます。これでAVIの映像面は調整完了です。音声はまだ入っていません。
「2C.AVIに音声ファイルを同期させる。」これまでの作業は複数のソフトを使ったとはいえ、作業の内容は自動的でした。しかし、音声同期はどうしても手作業になります。つまり、原作に比べて音ずれが発生しやすいのです。ネットを検索するとHugFlashで音声を抽出して映像AVIに合成する方法をよく見かけます。HugFlashはSWF内部で使用するMP3をそのまま抽出するので音質は元のままで嬉しいのですが、その音声ファイルを再生するタイミングについて情報をなんら提供しません。例えば、HugFlashで抽出すればSWF内部にある全ての効果音ファイルが得られます。ただ、テケテケ走るその「テケ」一回分の音声を得られても、どこでどうそれを鳴らせばいいか分からなければ意味が無いのです。
そこで、僕が採った方法は音声同期は完璧だけど画質がよくない変換済みAVIを使うことでした。
Amor SWF to Video Converter 2.2は体験版だと登録料を払うよう請求する文字がAVIに入ってしまいます。しかし、音声(WAV形式)が映像に同期済みの状態で変換される、つまり自動的に音声同期をしてくれています。画質は悪くても音声同期のタイミングがばっちりなわけです。
その状態でさらにVideo Studio 9 Special Edition(体験用特別版)を使って高画質無音声AVIと音声同期済みAVIとの再生タイミングを合わせて(一画面に同タイミングで再生されるよう調整して)、そのタイミングを保ったまま音声同期済みAVIから音声WAVを切り取って高画質無音声AVIに貼り付けます。見方を変えれば、音声同期のタイミングをそのままに映像だけを差し替えるわけです。Amor SWF to Video Converterはどうやら完璧に各フレームを変換しているわけではないみたいなので、1フレームほどタイミングはずれるかもしれません。しかし、その程度なら充分誤差の範囲内です。
Video Studio 9 Special Edition(VS9SE)はフリーソフトだったのですが残念ながらもう入手不可能です。
映像と音声を同期させて合成するだけなら
Windowsムービーメーカーでも出来ると想像するのですが、それはまだ実験していません。可能不可能など実際に試してみた方がいらっしゃれば、ぜひその様子を教えていただけると助かります。
そうして音声と同期させて合成したAVIファイルをFLVなりMP4なりに変換すれば、ニコニコ動画に投稿可能になります。
細かい点は(これでも)飛ばして、まず必要な事柄を述べたつもりです。飽くまでこれらはフリーソフトを使うという条件での、現時点で最も最適な高画質のファイル変換方法を探った話です。今後、ソフトのヴァージョンアップでもっといい方法が出てくるかもしれません。また、有料ソフトを使えば選択肢は増えます。しかし、丁寧に作業すれば現時点でもこれだけの品質でFlashアニメをニコニコ動画に投稿できるということでもあります。
ニコニコ動画はそのうちFlashゲームに対応するらしく、またニコニコムービーメーカーで製作されアップロード機能を使って投稿された動画はSWF形式になっているみたいです。将来SWF形式での投稿が可能になればこれまでの話は無用の長物にできるのですけど、どうなるか将来のことは知りません。
以上の話がなにかしらのお役に立てれば幸いです。
SWFをMP4に変換してニコニコ動画に投稿することについて、快く許可してくださった
日暮里本社さま、
みやかけおさま、
ルンパロさま、
未乃タイキさまに改めてこの場を借りて感謝させていただきます。また、素晴らしいフリーソフトを製作して公開してくださった作者さまがいらっしゃらなければ、以上の方法は成立しませんでした。ありがとうございます。
分からないことがあれば、まず
ニコニコ動画まとめwikiに目を通すのがいいです。僕が説明するより遥かに分かりやすいです。SWFからの変換についてもそこに書かれたソフトや方法は一通り試して参考にさせていただきました。wikiの編集はよく分からない僕は新しい情報を追加できません。残念。
蛇足。僕は今後は自発的にFlashアニメを変換して投稿するつもりはありません。僕の目的はFlashアニメを高画質で投稿する方法を確立して公開することです。それによりFlashアニメが目にされる機会がもっと増えてほしいのです。方法を広めたいのであって、自分で方法を独占したり、自分だけこの方法を使って投稿しても意味がありません。なんだかよく分からないから代わりに変換もしくは投稿してよ、という申し出がFlash作者さまからあれば考えさせていただきます。でも、自分から申し出ることはたぶん今後はありません。
ちなみに、
Youtubeも高画質で視聴可能ですが、自分で見る分にはともかく他人様に見ていただくのには設定や読み込みバッファでストレスを感じます。従来のYoutubeのflvはサイズ(もしくは解像度)が320×240で、映像と音声あわせて350kbpsになります。
ニコニコ動画はSP1からビットレート上限が映像と音声あわせて約800kbpsになりました。ファイル容量の上限は40MB(=約32万ビット)ですから、約800kbpsの品質では400秒、7分間弱が長さの限界となります。それ以上の長さの動画ではビットレートを下げる必要があります。フレームレートが高い動画ではこの影響を大きく受けるので注意が必要です。といっても30fpsくらいまでなら影響を感じることはないと思います(60fpsだと影響が顕著に出てきます)。
ちなみにその2。ニコニコ動画におけるアイマスMAD作者(ニコマスP)や視聴者(見る専)はIRCチャンネル「#ニコニコアイマスPの集い」で技術的な事柄やMAD論まで、もちろん自分の趣味や雑談も含めて情報交換を行っています。
ニコマスPの知恵袋Wikiもありますし、それとは別におそらくファンの手による
The iDOL M@STER ニコニコ動画まとめWikiも存在します(リンク先は僕が編集したものではないのです)。ニコニコ動画におけるアイマス動画(ニコマス)は全体でおそるべき再生数を誇ります。勢いを持ったのは流行や元動画の人気もあるかもしれませんけど、IRCのチャットに代表される横の情報交換も大きな役割を果たしているのだと、中に入ってみて感じました。FlashなどウェブアニメについてもIRCやwiki、それらが連動した総合的な情報交換の場がネット上にも確立されるといいのかもしれませんね。